細胞培養
細胞培養
細胞培養とは、今までワクチン製造に用いられていた孵化鶏卵のかわりにイヌの腎臓の細胞から作り出した増殖力の強い「MDCK細胞」と呼ばれる細胞を使用して、ワクチンを製造する方法を言います。
ワクチンを作るには、ウイルスを生きた細胞に感染させることが必要です。これまでは、ヒナになる前の孵化鶏卵の卵の殻に、小さな穴を開け殻の下の漿尿膜(しょうにょうまく)に注射針を指してインフルエンザウイルスを注入して、感染させワクチンを製造していました。
しかしながらこの方法は、孵化鶏卵1個で一人分のワクチンしか製造することができず、新型インフルエンザの発生、流行には間に合わないという欠点がありました。
この欠点をカバーする方法として注目されてたのが細胞培養と呼ばれる方法です。
製造工程は孵化鶏卵と同じですが、この細胞を入れた培養機内で、MDCK細胞を増殖させることによって、孵化鶏卵100万個分のワクチンを一度に製造させることができ、生産効率が驚くほど高くなります。また、この細胞は、液体窒素で冷凍保存できるため、従来の孵化鶏卵に比べて保存性、利便性が飛躍的に向上することができます。
安全性については、動物実験で腫瘍原生が確認されましたが、ワクチンの製造工程で完全にMDCK細胞の除去を行なえば、問題はないとの報告が外国メーカーからなされています。
新型インフルエンザの脅威が叫ばれている現在、細胞培養はウイルスの突然変異のスピードに対抗する人類にとっての魔法の杖なのかもしれません。