先天性代謝異常
酵素の欠損や働きが十分でないために体内の代謝がスムーズに行かず、余計な物質がたまったり、必要な物質が不足して、発育障害、知的障害、意識障害など全身に影響を与える病気です。アミノ酸代謝異常、糖質代謝異常、脂質代謝異常、ライソゾーム病、その他に大別され、病気の種類は数百種類あるといわれていますが、その発生頻度は低いといわれています。
出生直後から意識障害、けいれんなどを起す、成長と共に発育障害、知的生涯、退行をおこすなど、症状やその出る時期などは病気によって違います。
新生児マススクリーニングで見つかることもあります。血液検査、尿検査(尿の色や臭いに特徴のある病気もあります)など詳しく行います。
病気によって違いますが、早期に見つけて不足している控訴を補ったり、体内に余計なものがたまらないような治療食にしたり、酵素の働きを助けるビタミンを大量投与したりします。また、骨髄移植を含む細胞治療を行うケースもあります。あるいは現在は遺伝子治療(正常な遺伝子を組み込む)も研究段階にあります。
新生児マススクリーニング検査でわかる先天性代謝異常
- フェニルケトン尿症
- アミノ酸異常の一種で、常染色体劣性遺伝します。生まれたときは何の症状もありませんが、生後2~3ヶ月ごろから、フェニルアラニンがたまり、メラニン色素を作るチロシンが欠乏するために、髪の毛が赤くなり、皮膚が白くなり、失神が目立ちます。けいれんや退行現象が見られることもあります。治療は低フェニルアラニンミルクを飲ませます。生後1ヶ月以内に治療を始めれば知的障害を防ぐことができます。
メープルシロップ尿症- アミノ酸異常の一種で、常染色体劣性遺伝します。生後1週間以内にミルクを飲めない、嘔吐、けいれんなどを起こします。おしっこがメープルシロップのように甘いにおいがします。
治療は、分岐鎖アミノ酸除去ミルクを飲ませます。
ホモシスチン血症- アミノ酸代謝異常の一種で、常染色体劣性遺伝します。白内障など視覚障害や知的障害を起こし、血栓を作りやすいので脳梗塞、心筋梗塞を起すこともあります。マルファン症候群と似た様な症状が出ることもあります。
治療は低メチオニン・高シスチンミルクを飲ませます。
ガラクトース血症- 糖質の代謝異常で、常染色体劣性遺伝します。Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型がありますが、Ⅲ型は無症状なので治療は必要ありません。Ⅰ型は出生直後から、嘔吐、黄疸、低血糖の症状が出て、知的障害を伴います。Ⅱ型は重い症状はありません。
治療は乳糖除去ミルクと乳糖が含まれない食事を与えます。