母子感染
母子感染
母子感染とは、お母さんの持っているウイルスや細菌が、胎盤や羊水、産道、母乳などを経由して赤ちゃんに感染することを言います。
母子感染の代表的なものは、トーチ感染といわれるトキソプラズマ、風疹、サイトメガロウイルス、ヘルペスによって起こる病気です。このほか、B型肝炎、成人T細胞白血病、HIV(エイズ)、B群溶連菌による敗血症などもあります。
母子感染は、多くの場合赤ちゃんに身体的な障害や知的障害を起こすことが多く、注意が必要です。
≪母子感染症の主なもの≫
≪トキソプラズマ≫
トキソプラズマは犬、猫、豚などに寄生している原虫です。猫の糞からの影響が大きく、胎盤感染によって、赤ちゃんに移行します。
妊娠早期にこの病気にかかると、流産や小頭症、水頭症、目の異常など、赤ちゃんの奇形を起こす危険性があります。妊娠中期以降にかかると、お腹の中で赤ちゃんが死亡したり、赤ちゃんの発育遅延を起こします。
≪サイトメガロウイルス≫
このウイルスは産道感染によって赤ちゃんに移り、肝臓が肥大したり、黄疸が出たりすることがあります。また、知的障害が起こることもあります。成人の9割以上はこのウイルスに感染しています。妊娠中始めて感染した場合、産道感染や母乳感染を起こすことが多いのですが、症状が出るのはごく一部のまれなものといえます。
≪単純ヘルペスウイルス≫
妊娠中の母親が外陰部や子宮頚管などの性器にヘルペスがある場合に、産道感染します。この結果、赤ちゃんが死亡率の高い重症の全身のヘルペス感染症にかかる危険性があります。
≪B型肝炎≫
産道感染によって、赤ちゃんに慢性の肝炎を引き起こし、将来、肝硬変を起こす危険性もあります。また、肝炎の症状が出なくても、ウイルスをもっていることで、家族など周りの人への感染源になるキャリアと呼ばれる状態になります。
≪クラミジア≫
トラホームという目の病気を引き起こす病原体ですが、最近ではこの病気による性行為感染症が増えています。お母さんが感染していると、約半数の赤ちゃんに産道感染し、結膜炎を起こします。また、時に肺炎を引き起こす場合もあり、危険です。
現在、性行為感染症の中で一番多い病気がこのクラミジアです。症状がはっきりしない場合もあり、感染していることに気づかないまま、治療を行われていないケースもあるので、妊娠前にしっかりと検査を行って治療することが必要です。
≪B型溶連菌感染症≫
羊水感染によって、早発型B群溶連菌感染症という重症な病気を起こします。生後まもなくから呼吸障害やショック状態に陥り、髄膜炎を起こす危険性も高い病気といえます。
≪ALTウイルス≫
成人T細胞白血病ウイルスと呼ばれているもので、これによって起こる白血病は感染して40年以上経過してから発病するのが特徴で、この発症後2年ほどで死亡します。ただし、感染していても発病しない場合もあり、母親がこのウイルスを持っていると、その60%以上が母乳を通じて感染します。